迫る参院選のことを考えれば、小沢氏が幹事長職から退くことが必要なのですが、かといって、小沢氏が自ら辞意を表明すれば、騒がれている金銭問題に対する疑惑を認めたと勘ぐられ、選挙にはむしろマイナスになる可能性が高い。
総理の座から身を引く鳩山氏と共に辞任すれば、政権を支えられなかったことに対する引責辞任という名目も立つし、何より、小沢氏一人に注目が集まることもありません。
そもそも、小沢氏から「幹事長」の肩書きが無くなったからといって、党に対しての影響力が薄れるかというと、そんなことはないだろうと思うのですね。
今から1年前、小沢氏は民主党代表の座を退き、衆院選後に幹事長に就任するまでの半年間は肩書きが無かったわけですが、この間、党内に対する影響力は、弱まるどころかむしろ強まった感があります。
では、また小沢氏はほとぼりが覚めた頃にまた党の要職に復帰するのか?
これは正直なところ、五分五分ではないですかね。どっちに転んでもおかしくはありません。
まぁでも、小沢氏には「小沢一郎」という最大の肩書きがあるわけですから、党に留まる限りは、小沢氏の威光が薄れることはないでしょう。
※2010/06/03 06:40追記
「解任動議通る」早朝電話で引導=自信の親指立てで情勢一変−小沢氏
(時事ドットコム)
鳩山氏の配慮ではなく、総理辞任に対するバーターということなのでしょう。民主党両院議員総会でも、鳩山氏はそのように発言しておりますし。
ただ、当面は新代表決定の方に世間の目が向くとしても、参院選に突入すれば、小沢氏の政治資金規正法の問題が蒸し返されることは間違いありません。
そんな中で、鳩山氏のみが代表の座から退き、小沢氏が幹事長職に留まっているのは得策ではありませんから、鳩山氏に退陣を求めた時点で、小沢氏も身を引くことは決めていたのでしょう。
そう考えると、鳩山氏が小沢氏を引きずり下ろした、とは言い難い面もあるのではないかと思います。